2009年12月27日日曜日

電信柱に

電線がごちゃっと。

12/23 インフレ

日本はデフレ。

ベトナムの、少なくともホーチミンはインフレ。

10,000円出したら、2050,000ドンに化けた。

20,000ドンで100円くらい。

たぶん旅行者にはそんなにゼロはいらないけど、ベトナム人は使うんだろう。5ドンとか。

価格設定には内向きと外向きがあるらしく。

旅行者には基本ふっかける。

ただ飲食代は内外関係なく、基本一律らしい。

ライフラインに関わるところはフェアなのね。

個人的には、あまりモノは買わない。

ふだんも必要なものを買うくらいで、あと必要経費のほかは公演費や飲み代、寝過ごしたときのタクシー代にさらさらと消えていく。

あ、あとは観劇代か。

余談だが、これは一番バカにならない。

芝居は高い。だからハレの日に行く。

でも何の因果か、それを週に何本も見なくてはならないときもある。

泣きながら電車賃だけを握り締めて出向き、酒を一滴も飲まずに帰る。

出演者に挨拶をしてしまうと飲みたくなってしまうから、会わないで帰るときもある。


そんな毎日なのだから、モノを買うなんてもってのほか。

生きていければそれでいい。

自主規制が、ここにきてもまだ変わらない。Tシャツ1枚50円の場所でさえ。

足場は生活の中にある。

紙幣には全てホーおじさんの肖像が。

市の名になっちゃうくらいなんだから絶大な存在感なんだろうが、

本当のところはどうなのだろう。

もう既にインフラ扱いなのかな。

この国の学校の教科書を見てみたいところ。

正午近くにディエン・ビエン・フー通りで見たブティックのマネキンは全て裸。

誰も出勤してくる気配なし。

午前中から買い物する人ってそんなにいないだろうから、ある意味リーズナブルなのかね。

12/23 ホーチミンを歩く

歩く、ひたすら歩く。

日本は静かだ。

ホーチミンは騒がしい。

10年前のバンコクも相当うるさかったが、ここはまた洒落にならん。

よく書かれていることだが、交通規則があるんだかないんだか。

尋常じゃない原付の量。

2:7くらいの割合で車。

ホンダが多いかな。あとはタクシー、バス、トラック。たまにBMWとかフェラーリとか。

ちなみに、残り1割はチャリ。

よくわからない大量の荷を積んだ三輪車とか。

歩行者にとっては、信号なんてあってないようなもの。

流れをガン見しながら、牛歩する。

バイクは勝手によける。

車は止まりゃしない。から、車間で立ち止まり、やりすごす。

バイク2ケツ、3ケツ当たり前。

一家4人で乗ってるのも。

基本速度が遅いから、どうにかなってはいるけど。

そんなチャリンコみたいに扱うもんじゃないはず。

一応、2人乗りまでが規則らしいが、

ガイドに聞けば、子供は頭数に入らないらしい。

だから、一家のうち子供が2人なら、4人乗りでも2人としてカウント。

色々思うところはあるけど、そうなんですかと。

排気ガスがハンパない。から、マスクが多い。そのマスクも水色だったり柄があったり、


キャラクターの刺繍があったりで、

みんな秘密結社の構成員みたい。あるいは手術中の外科医。

朝の出勤ラッシュ、昼の出勤ラッシュ、夕方の帰宅らしきラッシュと夜の遊びに行くラッシュ、その合間に買い物やら何やらの移動ラッシュがあって、常に濁流のように原付が流れる。

その合間を縫って通りを渡りつつ、ひたすら歩く。

電車とかメトロとか一切ないから、せんないこと。

ぶぶ ぱぱぱ

遠くに聞こえていた波の音が、今は自分に向けられ放たれる。

2009年12月26日土曜日

カラベルホテル 12/22深夜ホーチミン

何かすごいとこに泊まった。

ベトナム資本でがんばってる「CARAVELL HOTEL」。

日本はまだ休暇前だからシーズンオフ、というのもあるのだろーが、

私のよーなガキのフリーランスが泊まる場所では到底ない。

ふだん真面目に働いてる友人は『超ラッキー♪』と喜んでいたが。

窓からの眺めも。

目の前には目抜きのドンコイ通りと市民劇場。というか、何故か深夜0時にもかかわらず、

鬼のようなバイクの山、人間の塊。

おい、寝ろって。

夜は寝ろって。

ぱぱらぱぱらぱら

ぱぱ ぱぱ

ぶーーーーーー

窓に耳を当てると、交通音の洪水。

でも部屋は、厚い窓ガラスと、21階という高さに守られて静か。

真っ白なベッドに、真っ白な枕クッションが三つ。

分煙にするために、エレベーター前の灰皿を個人喫煙所と勝手に決めた。

韓国土産のマルメンに、六本木のバーのライターで、サイゴン川を眺めながら火をつける。

場所は変わっても、喫煙という行為は変わらぬのだな。

部屋に戻り、友人がはってくれた熱い湯にバスソルトをぐちゃぐちゃと入れざばと浸かり、

これまた真っ白なタオル地のガウンを着て、真っ白なシーツの上に転がる。

明日からは、食事以外は基本単独行動。

友人と「国内でせせこましく不倫活動にいそしむなどするよりも、同じ額の小金で海外旅行にいくほうが」「いやさでも子供がいるとなるとそうそうは」などといった話をぐだぐだとしながら寝に入る。

ぱぱ ぱぱぱぱ

遠くに聞こえる。

明日からは、あの中に入るのだな。

ぶぶ ぱー

波の音。

非日常的日常から、さらなる非日常へ。12/22成田

前の晩に旅支度を終え、朝ラッシュの中、幡ヶ谷のとあるホールへ。

グランドピアノが二台ある、フローリングに紫カーテンの空間へ。

何かのイベントに使えるかも知れない、と下見に出かけたが、

やや上品すぎて空振り。

カオスも内包できる、懐がある空間が欲しい。清濁併せ呑むような。

同行者と朝マックで話を詰め、新宿に移動し、

またさらなる同行者を迎え、

昼から赤ワインを煽る。

不規則な生活を送る者にのみ許されるかのような、平日の休日。

無事かえってこいよ。

言葉を胸に刻み、電車に駆け込む。

行き先は成田。

全てのものごとを中途半端にしたまま、数日を不在にすることへの不安。

自分などいなくても世界は回ることは充分わかっているけれど、

築き上げてきたものを一度停止させる恐ろしさはある。

それだけ歯車をまわしながら生活してきたのだと実感。

たまには違う歯車を稼動させてみよう。

そんなことを考えながら電車の椅子で目を閉じる。

一瞬のうたた寝。

目覚めたときには、乗り換えの駅の、ホームの端が見えた。

がーん。

乗り換え案内を調べる。調べる。調べまくる。

どうやっても友人との集合には間に合わない。

余裕をもって設定している時間とは言え、幸先がよくない。

駅についたら小走りね。

小走りする。

十五分遅れ。

不在期間に止められないように空港のコンビニで電気代を支払い、

どうにか飛行機に乗り込み、

離陸。

ビールを三杯飲み、

友人のぶんの機内食もたいらげ(友人はあの臭いがどうにもダメだそうだ)、

映画「シザーハンズ」に涙しながら機内を過ごす。

ジョニーデップすげえ。ティム・バートンすげえ。

そして緯度が下がるにつれ、暑くなっていくのがわかる。

暑さが苦手な私は、少しずつ息苦しさを覚える。

温度に溺れていく印象。

降りる直前にマイケルのドキュメンタリー「unmasked」があるのを発見し、

あわてて再生する。

若くて元気なマイケルが盛りだくさん。

また涙が流れそうになった瞬間、間もなく到着のアナウンス。

ついに来た。

ベトナム。

2009年12月17日木曜日

疲れてしまって。

公演はぶじ終了。
いまは日常のるつぼで非日常に飢える毎日。


部屋に絵でも飾ればいいのかも知れないけど。


いとこのアイコから送られてきた犬写真。
こいつ、こんなことばっかやってんなあ。

2009年11月21日土曜日

ホルモン丼

そういえば。
先週初めにいただいた、インパクトのある食事のことをふと思い出し。


味噌ホルモンを炒め
吉野家の白飯にのっけて
食う


これがまた
んまい


昼の仕事先のKたんからの差し入れホルモン


荏原中延にある店のおみやげで


ひからびていたカラダに
何かが行き渡ったよ

ありがとう
Kたん

わすれんぼ

好きな映画は何?とよく聞かれるけど、
そのたびにいつも困る。


だいたいフルで楽しんでしまうし、
見たそばから忘れるうえ、
そもそもそんなに多く見てない。


だから、聞かれるたびに、
ベティーブルー
と、
10年前と同じ答えをしてしまう。


義務じゃないけど、選択肢を増やさなくては。
公演終わったら、またしばらく映画漬けの日々。

2009年11月20日金曜日

舞台の天蓋

マチソワの間の休憩に、舞台上で寝転がったら、照明さんの愛が見えた。


楽園は二面舞台なので、舞台ツラが2つあり、そのぶん2割〜3割増しで機材が要るという。


その結果、こんな緊急外科手術室のような状態に。


音響さんもいないし、舞台もほとんど立て込まないから、小屋入りしてからしばらくは照明さんの時間。


とにかく吊って、
とにかく出す。


とっても素敵な空間が出来上がってます。


優しさと厳しさの、あいのこ。

2009年11月19日木曜日

初日あけまして。

明日は三日目。


みんな元気にやってます。


写真はメイク中のダンサーオリエ。
どこでゲットしたんだそのアイテム(笑)

2009年11月4日水曜日

マイケル

会って
きた


リハの風景
撮影の風景
サウンドをつくる
キッカケを決める


ステージマンの
マイケルが
いた


体が熱くなった
嘘みたいだが
何か
すごく大きな何かが
伝わった
なんだか
よくわからない


言葉にならぬもの

語りえぬもの


たましいとか
愛とか
そういう類のもの


座組の一員にいるような気になって
マイケルとひとつになれた気がした


ファンでない人たちは
どう見るかわからないけど
私は
命を
もらった


マイケルマイケル
ああ
好きだ好きだ好きだ
愛している
どこに行ってしまったのだ
もう同じ時間にいないなんて
嘘だ
いやだ
いやだ
いやだ


リハだから流していたけど
客が入ったらこんなもんじゃない
マイケルは
マイケルは
もっともっともっともっともーーーっと
すごいんだ


いかれてる
マイケルのいない世界
そんなの初めてだから
どう風をつかんだらよいのか
まだ
わからないでいる

2009年11月1日日曜日

ああまた

寝過ごした
乗り過ごした
タクシーに乗るか
夜明かしするしかない


あまりにいやになり
とりあえずラーメン屋に入って
ああくだらない
くだらないと
嘆いてみる


ラーメンを食べてから
とりあえず考えるとする

2009年10月20日火曜日

野良

隠れてタバコを吸いたくなる路地裏だな、と一本火をつけて周りを見たら、いるわ来るわ、同じ発想の御仁方。


新宿三丁目の、とある街角。

けっきょく

こんな


あー
帰るはずだったのですが
まあいろんな絡みで


ひどいですね
完全に酒に呑まれてます


私はひとり
下呂吐きながら帰宅


あー
ねむい

2009年10月15日木曜日

もう一度触れてください

PASMOのミスタッチが、最近多い。
そのたびに、


もう一度触れてください


と、物憂げな女の声で囁かれるのは、いかがなものか。
演歌かよ!詩かよ!


聞くたびに、愛が足りなくてごめんよ、と心の中で謝ってしまう。
余計な罪悪感が膨らむ。
何も悪いことなんかしてないはずなんだけど。


いや、そんなことないか。


忘れ物ならぬ忘れごとを、思い出すときなのかも知れないな。

2009年10月12日月曜日

誕生日の豊里歩美。

というわけで。
先週、出演者歩美の誕生日祝いを、1日早くやりました。


エチュードの中で、プレゼントを渡すという流れに。
しかし、渡されたところで必死にエチュードを続けようとしていた歩美。
マジメな人です。


帰りは森下の焼鳥屋でひっかけていきました。
10円の、有頭甘エビ刺身があったので、「あるだけ持ってこい!」と言って、在庫をさらいました(笑)
って言っても数十円。


ドイツに旅公演に行っていた木母千尋ちゃんと、銀座でコントオムニバスに出ていた宇原くんも、明日からまた参加です。


さあて。
また旅が始まります。


がんばるぞ。

2009年10月7日水曜日

NICK-PRODUCE#17『ハッピー・ルーム』

11月17日(火)〜23日(月・祝)
@下北沢 小劇場「楽園」

前売開始いたしました!!
http://nick-produce.net

今回は、グランドピアノ×ダンス×芝居。
情報詳細は、NICKサイトにてご確認くださいませ★

今回も、アツいっす!!

2009年10月3日土曜日

NICKな日。

写真は、永さんとオイラ。


帰り際に話をさせていただいたのだけど、
似ていると言われることが気にかかる。


とある、私よりも若い男性演出家の作品と、テイストが似ていると何回か言われた。
そんなこと言われたこともないし、私より彼のほうが売れっ子だから、どうも気になって仕方がない。


まあいいんだけど。


顔が似てる
性格が似てる
ということよりも
作品が似てる
と言われることは
どうにも気になる
誰かに似せる気はさらさら、いやもうまったくないのだから。


まあでも、
結果似てしまうのであれば、
それは好みが近いということで、どうすることもできない。


変える気はない。
要はそういうこと。


きょうは、午後にピアノの中谷みっちゃんと選曲打ち合わせをし、
夜はダンサー多田氏の舞台を見て、
照明永さん夫妻と、もつ焼屋で美術の話をして、
帰る。
衣服が焼き肉臭い。
写真は、永さん奥様のしゃこさんに撮っていただきました。


ラムが美味しかったなあ。


なんだかNICKな1日でした。

2009年10月1日木曜日

してゅう。

キャストの熾田リカちゃんから、「野菜食え」というオコトバとともに、お手製してゅうをいただきました。


おさかなでお出汁をとったそうです。


チキンと野菜がほってり煮込まれていて、たいへん美味しゅうございました。


冬の足音が遠くに。

2009年9月28日月曜日

座組

今回もなんかすごい座組です。


なんというか。
個性が豊かすぎるというか。


稽古のたびに、興奮してます。


さあさあ、
楽しみですわいなあ。

2009年9月19日土曜日

おっ

こないだ友人エムと行った店で出たお通し


金くんたま


どーやって色づけすんだろ
スプレーじゃまずかろうし


工場か?手作業か?
そんな話題を呼ぶ金くんたま


かの偉大な
ツボイノリヲ先生を思い出しました

2009年9月18日金曜日

気づいたら

こんな写真が携帯に。


昨日の朝、台本の第一稿があがり、夜は稽古初日。


軽く飲んで帰ってきたものの、気がおさまらず、駅近のコンビニでスナック菓子を買い込み、勢いで発泡酒を三缶開けた。
そのときの写真。
深夜に火がついた、暴飲暴食。


まあ、にしたって、まだこれから手直しドサドサ入れなくてはならないのだけど。


とりあえずの乾杯。


そして
あー
二日酔い。

イカ墨バジル

先週の話。
イカ墨ソースは市販だけど。
イカは、さばいてみました。


かなりおいしかった。
バジルのっけすぎだけど。


なんか最近、こーゆーひとつひとつの作業が、とても愛しく思えますわ。


ま、そんな時期なんでしょーね。
秋だし。


今日は、朝方に台本初稿があがって、どうにか稽古初日も終えたので、
帰って、発泡酒を煽ります。


今回も個性的な強者ばかりで、どんな仕上がりになるか楽しみですわ。


さあさあ。
布団が待ってるぞ。

2009年9月13日日曜日

どんぶら小舟。

なぜあの人は片手に小舟を持っているんだ?
まずそう思った。
そして小舟は机に置かれ、持ち主は何事もなくビールを口に含み、「ふうん」と言いながら料理を口に放り込んだ。


机の上に、どんぶらこ。
こんな太い携帯、見たことない。
ってかそもそも売れんだろう、こんなデザイン。


常時ネットワーク接続してるため、えらく電池を食うらしく。
大容量電池を設置するにあたり、カバーが必要になったとのこと。


へんなの。

築地本願寺。

昨日は、11月に出演いただく宇原智茂氏の芝居を観に、築地本願寺のブディストホールへ。


曇り空の下、堂々とそびえ立つ本堂。三年前に野外公演をした一橋大学兼松講堂と同じく、伊東忠太がデザインしたとのこと。


洋と和が、不可思議な風合いでリミックスされている。
2ヶ月間、兼松講堂を見つめながら過ごした稽古期間が急に身近に思えた。


いつか、本願寺前のスペースで、本堂を背景にして芝居やってみたいな。


宇原さんは、熱い芝居で素敵でした。稽古が楽しみ。
それと、6年前くらいにNICK#7に出ていただいた佐藤信也くんもたまたま出演していてびっくり。
見た目はあまり変わってないのに、芝居が太くなってる気がして、ああー年齢を重ねたんだなあと。


続けてると、いろんな人と出会ったり、別れたり。
縁て、本当に不思議やわ。


今週から稽古。
また新たな縁が生まれるんだなあと。

2009年9月12日土曜日

がぱがぱお。

金もないからとにかく自炊。
でも食事はだいじ。


というわけで、妹に差し入れてもらった十六穀米を炊いて、いきおいで挽き肉ガパオをつくってみた。


そこそこいけた。


というか。
どんな外食よりも、自炊が美味しく感じるのはなぜだろう?
コストパフォーマンスのせいなのか?
あるいは、つくるプロセスが満足度を高めてくれるからだろーか?
みんな、どんな気分で自炊してるんだろーな。


毎日、無性に本が読みたいです。
精神が正常な飢えを取り戻しつつあるような。


少しずつ健康に近づいてきております。


さー。
来週から稽古っすわ。

2009年9月9日水曜日

朝からアウト

ニックは東西線沿線在住なのですが。


なんと。
朝から止まっておられる。


朝はないだろう、朝は。
一気に萎え。


振替乗車票をもらってバス停に並んだはよいが
これまたバスが来ない来ない。


ここは本当に文明国か?


気がつけばニックの前にいたオヤジさんはタクシーで消え
ニックの背後に長い列。
第一人者か?と意味もなく胸を張る


お、やっときた


と思ったら、隣駅までしか行かない。
ヘボい
私の世界はもっと広いのだ


仕方ないからバス停変えてみた
しかし時間になっても来る気配なし。

難民な気分。

2009年9月4日金曜日

戯れ言

ああ、酔った。
荒稼ぎしてる後輩?のカードで、乱れ飲み@六本木。
休暇中のはずの彼女は、なんかもめてるみたいなんで、とヒルズに戻っていった。


彼女の、学生時代から知ってはいる。
結婚式にも行かせて頂いた。
どうあっても転覆しない企業に行き、
大船に乗った人生だと思っていたのだが、少し違った。
彼女曰わく、自分自身はイカダらしい。

虚業と言う言葉がある。
製造業ではなく、言わば金融業をやっかみ半分で示す言葉。
それでも億の金が入るならよいではないかと思っていたが、どうもそうすんなりとは行かないらしい。


だからといって、自らの生きる苦境を全肯定する気は毛頭ない。
ただ、組織に属する人間が、自らの営みに疑問を持つことがあることを知り、いくらか安堵したのは事実。
ただし、彼女が少数派であることは間違いない。


あたしはこれからどうやって生きていったらいいんでしょうね、と彼女は何度となく口にした。
そのままでよいと思うのは、おそらく私のエゴだ。
ただ、自分に誠実であって欲しいとは思うが。
それが他者への真摯も産むはずなので。


疑いようもなく有能な人間でさえ、不要と思われるような葛藤を持つ。
それを知っただけでも、十分な収穫だ。


「有能」な皆さん。
いまの生き方は、幸せへと続く道ですか?

2009年8月30日日曜日

反吐を吐き。

立勤務時代に飲み友達をさせていただいた教授のお宅に、手料理を食べに行った。


一通り食べ、飲み、一服したところで…気がつくと、便器を抱えて吐いていた。


ベッドに洗面器と並べて転がしてもらたい、寝て吐いてを繰り返す。
なんだこれは。


せっかくの開票日。ニュースを見て突っ込みながら談笑したかった。
教授や奥様の仕事の話を聞きたかった。
こんなはずじゃなかった。
悲しい。
反吐にまみれた髪が、帰り道に匂う。


自分は、いろんなことに不適応なことを痛切に自覚した。

2009年8月26日水曜日

肺洗浄

体力がだいぶ落ちてきたので、タバコをやめようかなと思う。

思えば22から主体的喫煙。
実家にいた生まれたときから18までは、祖母と父の副流煙を肺いっぱいに浴びて育った。


最近は、金がないのにタバコだけはどうにかして買おうとする。
320円あれば、弁当が1つ買えるのに。


あると思えぬ禁断症状。
そもそも実は体に合わない。
ニコチンよりも、口唇欲求の代替物が必要だな。
だからたぶん、ガムじゃくてパイポを買う。

2009年8月23日日曜日

あだな

昨日、芝居を見に行ったら、小学校時代の同級生にそっくりの男性が出ていた。
思わずパンフレットの名を見たが、全く違った。


フマキラーですか?
そう尋ねたかった。


小学校時代、二年間ほどフマキラーと机を並べて授業を受けた。
どちらかというと無口で、でもサッカーが上手く、女子にもあまり危害は加えなかったため、どちらかというと好感を持たれていた。


フマキ
フマキラー
だいたいそう呼ばれていた。


にしても何故フマキラー?
確か由来があったはずだが、何せ20年以上(!)も前のことなので記憶のもやに霞んでしまっている。


そんなことを思い出しながら舞台を眺めていたら、最前列の女性客が三人、突然機敏な動きを始めた。
黒いヤツが足元にいたようだ。


舞台上のフマキラーが少し反応して、素が見えた。

今ごろ何やってんだろうなあ、フマキ。

2009年8月20日木曜日

久々のオフなはずの日

久しぶりに自宅に引きこもって作業してたら、


ダチから突然ワイン届くわ(仰天ハッピー)別れかけてた同棲カップルから関係修復報告くるわ(リアルコメディ)思わずワイン空けて飲んじゃうわ(意志薄弱)飲んだら眠くなるわで(生理現象)、
やっぱりよくわからない1日だった気がします。


そして、なんか知らんが今は後輩に呼び出されてます。
あたいの住む駅までいらしてまで。
相談とのこと。
なんだろか……
金ならないよ……


エレベーターの扉が開いたら、
居候が私に気づかず軽く会釈をして通り過ぎていきました。


あたしだよ!

2009年8月17日月曜日

カナザワ○ンコ

先日仕事があり、金沢文庫にいきました。


終わってから、ビールとスナックを持って友人と近くの砂浜へ。


人が全然いなくて、プライベートビーチ気分を満喫。


遠くの船を眺めたり、若いカップルを揶揄したり、ユダヤによる世界支配の話をだだ漏らししながら、海苔の匂いが強い海風を浴びました。


帰りは、シーサイドラインに乗り八景へ。
ちょっと辛いラーメンと、厚切りのフレンチトーストをいただいて帰りました。


カナザワ○ンコは現実逃避によさそうです。

漏読

ロウドクをしろと言われ、
やってきました。
しかも永田町の、大人ばっかしの会で。
出番を待つ間、窓外をぼんやり眺めながらモクモク。


いろいろ思い知りました。
稽古は大事。
ダメ出しもゲネも。


直後のレセプションでは飲みちらし、名刺をいただきまくり。
芝居を一本見て、たまたま居合わせた演助と打ち合わせして帰りました。


不思議な1日。


最近、よくわかんない日が続いて、時間感覚が麻痺気味です。

2009年8月11日火曜日

サイバー

のりぴーDJ、かっこええなあ


夏前にやってたツ○ヤのCM『私はポニョを選びますた』っていんちきくさーな小芝居よりも
よっぽどいい気がするのんだけど


でもなあー…


数回ってうそだろ

2009年8月8日土曜日

のりぴー2

性善説にのっとり、勝手にのりぴーの身を案じていたところ、
出るわ出るわ。


心に冒険を♪
夢を抱きしめたくて♪


どんな夢を見たかったんだろうな。

2009年8月7日金曜日

のりぴー

のりぴーと言えば、夢冒険。
アニメ三銃士の主題歌。


山梨あたりをうろついていたとか。
1人じゃなかろう。
じゃなきゃ心細すぎる。


しばらくなりを潜めて、ほとぼり覚めた頃にひょっこり現れるつもりなのだろーか。
ってか、潜めるったってなあ。
有名人すぎるだろ。
少なくともアジアじゃだめだ。


中東へ行け、中東へ。
あるいはアフリカか。
きっと誰もわからんよ。


あるいは顔変えるか?

なんだかちょっと、逃げ延びてみてほしい。

2009年8月2日日曜日

友人と。

久々のオフ。
友人と新宿で映画を見て、
花園神社の氏子祭で大阪焼をいただき、
ふらふらと歩いて、
友人の旦那と娘が待つ新大久保の友人宅へ。


いろいろ小競り合いはあるようだけど、
家庭を築くとはなかなか面白いことのようだ。
人によるかも知れぬが。


花園神社の入り口付近で、私よりはるか?年上とおぼしき男が、腰を密着させ、カラダに腕を回して立っていた。
男が女に何らかの決断を迫っているような呈。
いくつになってもやることはかわらんねと友人と笑った。


友人は子育ての合間の久々の外出らしく、外からの刺激を楽しんでいた。
新鮮でよいなと思った。
少しは気が晴れたようだ。


友人宅で、子供に巻き付かれながら台所で立ち働く友人を尻目に、旦那と酒を浴びた。
飲まないはずが、呑まれた。


子供は楽しそうに、キュウリの柔らかな部分だけをかじりとっている。
笑顔がとても羨ましい。


晴れた空が晴れたままに目に映る。私にも、そんな日がはやく取り戻せますように。

2009年7月29日水曜日

肌乃キヲク

湿気た空気。
なまぬるい風。


最近、歩いているときに、
ふと異国の記憶にさらわれる。


夜に歩いた慶州の街並。
埃くさいカンボジアのどこかの交差点。
バンコクの道路。
グァムのデパート。
イスタンブールのビル…


そんなに出歩いてはいないけど、
毛穴の奥に現地の空気の記憶が残っている。


一瞬のトリップ・トラップ。


2、3日でいいから、
どこかに行きたい…
どこかに…

ここではないどこかに。

2009年6月7日日曜日

生き様

終電で降りたら
1人おじいさんが胸を張って改札前に立っていた


誰か待っているのか
そもそも待つ人はいるのか


電車はもうない


話しかけようと思ったがやめた

2009年6月6日土曜日

【MOVIE】『風の谷のナウシカ』

Gパンがまた破れそうだ。
毎日はいてるからかな。


それはそうとナウシカを久しぶりに見た。
原作を読んだおかけで、ようやっといろんな現象の因果関係がわかった。
特に、トルメキアとペジテと風の谷の関係。
国家やら王やら兵器やらおっきなワードが連発される割には、関係性が全くわからないままでいたから。
だいぶすっきり。


しかし。
全人類の過ちと苦悩を背負ったナウシカは、恋をして意地を張って失敗したりしないのだろうか。
映画を見ても、何とも言えぬ無個性感にあんぐり口があく。

あ、いや悪い意味じゃなくて。


どうやってあのパーソナリティをつくりあげ、実体化させようとしたのか、
そのプロセスが気になって仕方ないってこと。


登場人物の核となる部分は、多かれ少なかれ作家のパーソナリティが分化したものだと思っているので。
したら、宮崎さんていったいどんな人なんよ、てさ。


会ったことないし、本や画像でしか見たことないから、どんな人なのかようわからんからなあ。


なんつうかこう、
気になるす。

2009年6月4日木曜日

小休止

さっきカレーをつくっていたら
自分は幸せなのかも知れない、と
ふと思いました


角の豚肉を蒸し焼いて
タマネギを炒め
ゆでたジャガイモとブロッコリーと
シメジを半分
どさっと


バターで炒めて
赤ワイン


ここで前述の幸福感


全体に熱がなじんだら
お土産に頂いたカレー液を
どぱっと

なんて極辛

ちょーかれえ


汗だるだるになりながら
おかわりした
バターの風味がきいてて
とてもよい仕上がり


ピルクルの力を借りて流し込む


んまい


ごちそうさまで
ごろり


なんか迷いもなくて
あるのは未来な感じがして
いま自分がすごくありのままな感じがして


すごく幸せでいるよ


ちょっとまだ疲れが残ってて
ぼやっとしてるから
人と会ったりはできないけど


来週から復活します


それまでは
自分で自分に執行猶予
あげますです


私信
あいこへ
ドタキャンしてごめんね
許して


さー
ドラクエ�やろーかね


海底都市のボスが倒せないのよね〜

2009年6月2日火曜日

公演終了

『風乃キヲク』@KAWAGUCHI ART FACTORY
どうにかこうにか千秋楽を迎えました。

ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございます。

まだぼんやりしているので、少ししたらまたあれこれ書きます。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

村野

2009年5月6日水曜日

国道で、降り口ナビをミスったために、運転席の旦那にバックで逆走の指示を出す。
それが妹。


自ら指定した時間より、寝坊で一時間遅れて到着した上で、レンタカー屋の不手際で時間をロスしたことを愚痴る。
それが妹。


墓参りに行くために集ったのに、予定が押しているからと肝心の墓参りを割愛させようとする。
それが妹。


そんな妹に、2人の子供がいる。
0歳と2歳。
自分の母親がもし彼女だったらと思うと。
緑色の風景を窓外に流しつつ、チョロQは快適に走る。
幼い命と、そう幼くない命を乗せて。


きっちり一時間押しの墓参りイベント。
妹よ、君の寝坊が確実に歴史を変えている。


諦め半分に田畑を眺める。
これもまた、よしとしよっかね。

2009年4月30日木曜日

通り沿いの

サクラの木に、坊がなっていた。
見上げると、枝のあちこちに坊、坊、坊。
月頭には花弁で呼気吸気を喜ばせ、月末には坊で心を和ましむとは、
何たるお得樹木。
サクラよ。


稽古場に向かう。
サクラ並木の公園を歩くと、
柏餅の香りがした。
葉か緑緑と開き、陽光を吸っている。
隙間からそぼ降るおこぼれを身に受ける。
葉までもか。
サクラよ。


知人がサクラを「勝ち組」と称していた。
これだけお得感満載なら仕方ない。
ぶっちぎりトップだ。


好きで好きで仕方ない。
そんな恋心にも似た狂おしさをかき立てるくせに、
振り向きもしない。
どこまでもマイペース。
寿命が違うからですか?


片思い誘発樹木。
サクラよ。


いつしか人類と愛し合わむ。

2009年4月28日火曜日

ザッツ女子。

「でねぇ、
「うん、
「そこのナシゴレンがねぇ、
「うん、
「超オイシかったのぉ、
「へぇえ、
「今度食べに行こう、
「うん、行く行くぅ、
「本格的でさぁ、
「へえぇ…


……あまりの予定調和なやりとりに感慨深くさえなった。
女子の会話と言われるものの典型か。


否定しない。
とにかく肯定する。
肯定していることを大きく伝える。
目の前にいる相手は他者ではない、'私たち'。
場を共有しない者は全て他者。


他者は否定しうる。
自分たちを肯定しあうために、他者を否定する。
それを陰口と呼ぶ。


真意など関係ない。
話を受けている側がナシゴレンを本当に好ましく思うかどうかさえ関係ない。
ただ'私たち'を維持するためだけに肯定を繰り返す。
マジぃ、あたしあの目玉焼きがどうも苦手なんだよね、そもそもアジア料理の味の構成が苦手でさぁ、やっぱフレンチでしょ…などと言い出そうものなら、
次の日、いや下手をするとその日のうちに、その女子は'私たち'失格となり、他者の称号をあずかり、
容赦ない否定と批判と評価の対象となる。


ザッツ女子。


女子2人連れの会話に耳を傾けると、だいたいお互いをとても羨ましがる。
へえ、いいなあ、私なんかさあ…
羨ましければそうなるように努力すればいいように思えるが、真意はそこにはない。


嘘。
バランスをとるための。
'私たち'を維持するための。


ザッツ女子。


だから何だというわけではないが、
女子校時代にこういう会話をイヤというほど繰り返しながら育った私は、その空気の断片だけでも匂ってくると、んもう心底お腹いっぱいになってしまう。
いやいいだろうナシゴレン付き合わなくたって。
フレンチが好きって素直に言えよ。
だって本当に食べたいか?好きかナシゴレン?
自らに問いかけたことはあるか、ナシゴレンが本当に好きか否かを?
数限りある人生の食卓を、付き合いのナシゴレンを頑張ってオイシい顔して口に詰め込むために浪費するのか?
いいのかそれで?
本当にいいのか?
こら、答えろ。
答えさない。
おら、答えろってば。
答えろっつってんだろ、
答えろよ、この女性専用車両乗用者がよ!!


などと胸ぐらをつかんでぐらぐらと揺さぶりあげてしまいたくなる。
自称、悲しきはぐれもの。

しかしまあ、
ウェンディーズのドーナツが揚げたてで非常にオイシかったので、許してやるとしよう。

2009年4月17日金曜日

ああありがたや

きょう、本番を日曜に終えたばかりの柏原直人氏が合流して、ようやく座組がそろいました。


で、飲み。
祝いです。飲むしかない。
で、会計を待つうちに、終電の足音が……


あー……
逃した……


酔ったアタマでうすぼんやりしていたら、小林晴樹が、『ニックさんそれだめっすよ』とタクシーを呼びとめ、三千円を握らせてくれました……


ワンメーターで少し離れた駅まで行き、無事終電に乗れまして。
こんなふうにされたことない私は、びっくりしてしまいました。


昨日は稽古場に財布を忘れたけど、ちゃんと届けられてたし。
人の御恩で生きてるなあと、心底実感するわけで。


ムダ使いしちゃいけませんね、命。


写真はツナギを着てみた若狭華子。うしろが晴樹。

2009年4月12日日曜日

おやすみ。

幕が降りてゆく。
そんな印象を受けた。


中高時代の同級生が、ガンで亡くなった。
告別式で新横浜へ。


受付はすべて同級生。
イベントの度に顔を合わせる、馴染みの顔。
ちえちゃんは、その中の一人だった。


大きな目。
静かな物腰。
決して派手ではないけれど、凜としたものがある佇まい。


喪主のお父様が「宝物でした」と声を詰まらせたとき、涼やかな色合いの可愛らしい勾玉が、パンと弾け飛んだような気がした。


破片は宙に消えた。


溢れる弔問客。
一部屋に納まらず、隣室に通される。
見知った顔がいくつか。
たくさんの年若い男女。
彼女の通ってきた道程が凝縮されて現れる。
きょうは旅立ちの日。


死が繋ぎ直す、人の輪。
これから先は、彼女のいない世界になる。
それを受け入れるために、ほどけかかっていた手をまた繋ぎ直す。
そして彼女と繋いでいた手をはなし、別れを告げ、受け入れる。
柔らかなセレモニー。


淡い香りの白菊を棺におさめる。
若すぎる。
棺におさまるのは、もっとシワだらけの、生きてきた年輪が深く刻まれた人物でなくてはならない。
なめらかな肌、柔らかい唇、黒々とした眉…そういったものがおさまるようには棺は作られていない。


出棺を待つ。
終わった。
終わったのだ。
これはエピローグなのだ。
私たちは彼女を語るためのコマにすぎない。
今日の彼女は紛れもない主役。
人生の着地点を、生者がその網で受け、空に浮かべる。そのための。
私たちの生は続く。


終わりが目の前を通り過ぎて行く。
だけど、終わらせたくなかった私は、ささやかな抵抗としてメッセージカードにこう書いた。


私はもう少しだけ起きてるよ。
いずれまた会おう。
そしてそのときは互いがわかるよう、サインを送りあおう。
とりあえずは疲れただろうから、ゆっくりおやすみ。


4月9日午前4時4分。
田崎千絵、眠る。

2009年4月8日水曜日

サクラ

日差しのぬくもりに、弱くない風。
サクラの花弁がはらはらと散る。


いつもの、駅に向かう道。
日常の間隙に現れたあまりに幻想的な光景に、思わず息を呑む。


いつも通り稽古場に向かい、
いつも通り酒をあおって、
いつも通り孤独なねやに帰る予定でいたのが、
覆された。


美は革命である。
そう言い放ったのは、いつの誰か。
ひりつくリアルをもって、その革命を味わう。


美しい。
この有限な時空間に、無限に佇んでいたい。
永遠を希求する心。
耐えて久しくなかった望みに、心身が奪われる。
このままずっとここにいたい。


このまま、
この幸福なまま、
すべてが包まれたままでいたい。


思わず点在するサクラ群の下を、渇を満たすがごとく、求め、歩き回る。


なぜこんなにも狂おしく求めてしまうのだろう。
自らの時空間の絶対的な有限さから逃れたいからなのか。

あるいは
生きることそのものから
逃れたいだけなのか

サクラ。
見るたびに、死を思う。


そしてただ、
途方に暮れる。

2009年4月7日火曜日

【COMIC】『風の谷のナウシカ』宮崎駿

女性としての、目覚めたての自我を持て余して困り果てている、と友人に相談したところ、
「究極の母性だよ」
と言って貸してくれたのがこれ。
風の谷のナウシカ。


幼い頃、アニメが大好きだった私は、祖母に小遣いをねだっては『アニメージュ』やら『アニメディア』といったアニメ雑誌を買い漁り、
ひたすらそこにあるイラストを真似て白紙を埋め尽くしていた。
人はそれをヲタクと呼ぶのだろうが、シッタコトカ。
あたしゃー先達の絵の上手さに心奪われたんだ。モンクアルカ


絵というか、人の生き様がそこに描かれているような気がしてならなかった。
憎悪の瞳、戸惑いの口元、愛情の微笑み。
二次元は三次元を取り込み、独自の世界がそこにあった。
決して二次元などではない。人のつくりだす、宇宙だ。
今のアニメはどーか知らんが。
私の見ていたころのアニメーターは、とにかくすごい人たちだった。


そんな中の一人、宮崎駿。
ナウシカがアニメージュで連載されていた頃は、
私は単なる鼻を垂らした小学生のクソガキだったので、
「なんやこむずかしそーな」とスルーしていた。
しかしそれも当然だわ。あんなの、ハウス食品劇場で涙してるガキに理解できるわけがない。


まあ何と言うか、映画よりはるかに面白い印象を持ちました。
そして最後まで、ナウシカがどんな人格を持った人なのかよくわかりませんでした。
それほどまでに抽象的な存在なのでした。
ではそんな抽象的な彼女を通して何が具現化されているのか?
それは、人が人として生きるという意志そのものでありましょう。
つまり、意志が人の衣をまとうと、あんな感じになるのではないかと。


そんなことを感じた次第であります。


彼女にしたい、とか、抱きたい、とか、
一切の邪念をとっぱらわせる何かがあり、
それを私の友人は「究極の母性」と表したのではないかと。


後半に、ナウシカのヌードショットがあるのですが、
これがまた何とも言えず色がない。
あっ乳首かふーん、みたいな。
何と言うか、エロくないというか。
生き物としての女性、という感じがしました。
そう思わせるって、何か不思議です。
描き手の姿勢にもよるのかな。


まあでも、私はナウシカになれるわけがなく。
肉欲と情念の虜になる、人間の愚かしさのほうが身近にあるわけで。
やはり悶々とした日常を、やたらと燃費の悪いカラダを持て余しながら、
メーヴェに乗ることもなく、地を這いながら暮らしていかねばならないわけで。


逆に自分の果てしない愚かさを強く自覚してし ま い ま し た
…とさ。


蒼き衣は夢又夢。

ちゃんちゃん。

2009年4月5日日曜日

フライヤーアップ

フライヤーのデザインがあっぷしましたぁ。
内山弘隆さまにつくって頂きました。深謝〜〜


さぁて、ばらまくぞぉ。
転載じゃんじゃんお願い致しまつ☆

2009年3月29日日曜日

きっと御姿

『おすがた焼きせんべい』。
キャストの小林晴樹くんが、地元巣鴨で買ってきて、先週の顔合わせ時に差し入れてくれました。


「『おすがた』って、『雄型』?」


おい。


佐藤ろっきぃが、またよくわからないことを大声でボヤきながら、「くわえちゃおっかな」とせんべいをいじっています。
ゴマがたくさんついているのを示し、宇内が「ホクロ多すぎだから」。


きっと、男子高校生だけだったりすると、毎日こういう会話なのかなあと思う。

2009年3月28日土曜日

【MOVIE】『禅』

しっぶい映画。
試写会で見た。


道元の一生を描いたもの。
ストイックな聖人君子ぶりに、かえって「ふうん」。


葛藤がね、ないんだこれが。主軸の道元に。
あんまし人間らしくない。悟りもさくさく開いていくし。
超エリートの、選ばれしモノ、ってことかしら。


周りの坊さんたちも、えらく人ができていて。
で、敵対派閥の僧たちが、これまたえっらい悪で。
なんつうかこう、ある意味勧善懲悪?
悪を懲らしめる場面はないけど、信じるモノはとにかく救われるからね、っていうメッセージが、だだ漏れ。


そゆ意味で、「これ、誰に見せるつもりでつくったんだろ」ってのが、逆にスッゴく気になりました。


しかもラスト近くで道元が弟子たちに遺言めいたものをクチにするとき、「一、ほにゃらら、二、ほにゃららら」と十まで吟じあげるのだけど、ぜんぶ漢字表記の経文だから、聞いてるだけだと何のことやらさっぱり。


こんな音楽も高らかに流れてるクライマックスに、意味不明のセリフを主役に口にされても、本当にまいっちんぐ。
気でも触れたかと思ったよ。


高橋伴明というピンク映画の巨匠が監督。弟子の1人が、誘惑に耐えかねて内田有紀にかぶりつく場面が、いちばんリアリティあって萌えました。
あとは、腐れ駄目ヒモ男の哀川翔がナイス。
底辺描かせたほうが面白いよ。


学校の映画鑑賞に推薦するための試写会だったんだけど。
これを選ぶ学校は本当に限られると思うよ。


という、不思議体験でした。
ちゃんちゃん。

2009年3月23日月曜日

すとれんじゃ

終電で寝過ごしました
というか
従来の終電を逃して
さらに奥の手の終電も逃して
その上寝過ごして


見ず知らずの駅に1人降り立つ
さあどうしよう


とりあえず腹が減ったので
まずは駅前のオリジンでダブルおにぎり
しゃけと焼きたらこ


とりあえず乗り越した一駅分戻れば
どうにかなるだろうと
線路沿いに
まるで芦屋ガンノスケ
おにぎり食べてるし


しかし
やたら歩いたつもりが
駅の周りをぐるぐるまわっているだけだったことに気づきました
なぜかというと
おにぎりを買ったオリジンが
また立ちはだかって
思わずまたおにぎりを買いたいと思ってしまったから

はっ


おにぎりはもう食べたはず

ということは…?

観念して駅前でタクシー


あっと言う間にうちの近くに運んでくれました


とっとと乗りゃよかった


うかつなまでの
深夜の散歩


おやぷみなさい

2009年3月22日日曜日

顔合わせ終了。

打ち上げか!?っていうぐらい、騒がしい飲みでした…。
写真は、女優鶴岡@有楽町。


深夜に資料を作成した勢いのまま、朝から友人と待ち合わせしてウナ丼とハムカツを肴にビールをあおり、昼は日生劇場でミュージカル『マルグリット』を見、その後インドカレー屋でナンをつまみにビールと赤ワインをあおり、夕方から顔合わせと写真撮影をして、さらにビールとホッピーをあおって、
いまようやく帰宅。
長い1日。


酒飲み過ぎ?
ああ、ええ、確かに確かに。
ここしばらく一切口にしてなかったアルコール分を、砂漠の滴のような勢いで消費してきました。


しばらく現場から離れていたため、そこからくる飢えもあったのでしょう。
同じように長期休暇をとっていた、キャストの佐藤ろっきぃと鶴岡も、尋常じゃなくスパーク。
いつもより共演者の人数多いからかな…。
少し目を離したすきに、完全なカオスと化していました。


ここに、さらに今日不在の2人が加わると、どうなっちゃうんだろう…。
などと思いをはせていたら、真向かいで写真家のタイナカ節もスパーク。


打ち上げ花火みたいな会合でした。。

…がむばりまぷ。

2009年3月21日土曜日

顔合わせの準備

えー。たびたびのマイケルで失礼致しますが。
なんでこんなにマイケルが響くのか、台本印刷をしながら考えてみたりしてます。
明日顔合わせなのです、はい。プリンターがフル稼働してる深夜。


特にこのデンジャラスが好ましく、
はるか昔に失恋したときに、妹の家に転がり込んでのめりこむように聞いてました。
おのれなど死んじゃえばいい、と思いながら暮らしていたのですが、
何度も聞いているうちに、マイケルだってこんなにがんばってる…と、
少しずつ立って歩けるようになりました。
そんな思い出の一枚です。


音楽のことは楽譜も読めない全くのド素人なのですが、
たぶん、音の構成が厚いんでしょうなあ。
しかもコーラスが全部マイケルの声だったりするナンバーも多く。
一人で何回レコーディングしてんだよ、などと思い。
その気合いというか勢いというか、
何と言うか尋常ならぬ執念というか、
うまい言葉が見つかりませんが、
とにかく変態なくらいすごいなあ、と思わせてくれるわけです。


私はすぐにいっぱいになって視野がせまくなってしまいます。
すると目の前のことばかりにとらわれ、徒労感や虚しさにとらわれ、
この上なく絶望的な気分に陥り、
自分など生きている価値のない人間のように思ってしまうときがあります。
そんなときは、自分がホンモノであると認識している人たちの表現に触れるようにしています。
すると、不思議なくらい自分の葛藤が相対化できるからです。
理性を取り戻し、感情が息を吹き返します。
エネルギーをもらうって、きっとこういうことを言うのでしょうねえ。
いつの間にか、するりと悩んでいる状態から抜けていることに気がつき、
やがて目の前の課題について建設的に考え始められるのです。


だから、いい表現は人に力を与えるということを、私は信じておりまする。
だって自分がそうなんだもん。


あ、インク一本使い切った。
よかった、もう一つ買っておいて。

2009年3月20日金曜日

春風や

だいぶ暖かくなりびっくり。
もうコートは暑くて着れないですね。


芝居で頭がいっぱいになって、昨日夜のバイトをぶっとばしてしまいました。いやはや。


春はただその空気を感じるだけで、生きるエネルギーが湧いてきます。


そういえばもうすぐ後輩の結婚式です。
今月入って、六組の結婚報告を聞き、うち三組は直接祝う環境にあります。
春だからかな。
しかし、ちょい多くね?


私は春に一番バイオリズムが上がる気がします。
冬の寒さから解放されるからでしょうか。
桜なんか咲いたら、もう基地外。
1人で毎晩夜桜祭り。
きゃっきゃっ。


いろんな嫌なことも忘れて、早くはしゃぎ回りたい。
あたしゃー遊ぶために生まれてきたんぞなもし。


中学の頃の担任に、親が「娘さんは快楽主義者ですね」と言われ衝撃を受けてたことを思い出しました。
ついでに高三の担任には「一人相撲をとりますね」と成績表に書かれたことも。
覚えてやがれ。


明日はパルコにアッカーマン演出の芝居を見に行ってきます。
初日はオトナの事情で幕が開かなかったみたいだけど。だいじょぶかしらん。


あーやばい、浮かれる。
来週火曜は馬車道で観劇ついでにお散歩。

何かいろいろ、悪くないっすわ。

2009年3月16日月曜日

M.J.

マイケル・ジャクソンが好きです。ええ、そりゃもう。
とりあえずHISTORYまでのアルバムは聞き込んでて、カラオケでも歌えます。


小学生の頃、1987年だったと思いますが、そのときのツアーライブがテレビ放送されたんですね。
うちのかーちゃんは何故か興味があったらしく、それをわざわざビデオに録画したんです。
そしたらもう。
あまりのエネルギーに、んものすごく感銘を受けて、惚れこんでしまったわけで。
かーちゃんも気に入ったらしく、即アルバム「Thrillar」をCD屋で購入してました。
その後の「BAD」で完全にラリった私は、いろいろ寄り道しながらも、
マイケルに憧れるままにここまで生きてまいりました。
前にドームに来たときは、確か3回くらい行きました。金ないのに。学生なのに。
ライブに行く習慣のないあたくしとしては、とても珍しいことです。


そしてそのマイケルが、なんとワールドツアーを行なうという宣言を。
本当かなあ。
踊れるかなあ。
だってマイケルはもう50歳。
確実に、以前のようには踊れない。
そのぶん音楽と歌声があるけど、
やっぱり踊りあってのマイケルだし。


そう思って、過去のPVなどをネットで漁って、久しぶりに一人マイケルツアーを堪能してみた。
でももうこんなふうには踊れない…そう考えると、人の一生がすごく短い気がして、
なんだか泣けてきてしまいました。


やがて自分も確実に老いる。
そしてその頃には確実にマイケルはこの世にいない。
いつだってマイケルの音楽に触れていたいのに。
生きているマイケルを、声を枯らして応援したいのに。
会えなくなっちゃうなんて、寂しいをはるかに越えてるよ。


そして一つ思いつきました。
マイケルのライブ演出をお手伝いできたらいいなあと。
年をとったらその分、熟成した見せ方をすればいい。
私ならできる。私とマイケルなら、きっとできる…


そんな妄想を胸に、今宵も静けく一人かも寝む。


皆さんどうも、おやすみなさいまし。


おにくまん

2009年3月13日金曜日

【BOOK】『冷血』カポーティ

聞けば、これ以降にカポーティは世に作品を問うことがなかったと言う。


そりゃそうだ。
犯罪者とは言え、自分の半身のように思えた人間が、目の前で絞首刑にあったのだ。
書きたくても書けない。書いたとしても、自分の中の何かが受け入れないだろう。


それほどまでに、書くとは生きる営みだ。
自らの死の可能性を意識すればするほど、生を強く追い求める。
しかし、既に自分の一部が死んでしまったような感覚に陥ったら、その死を凌駕するほどの危機に出会わない限り、生を取り戻すことはないだろう。


かつカポーティは、そんな危機に出会うには、絶望を知りすぎていた。


孤独のレッスン、その1。

絶望の果てにこそ希望は漂うが、
手に届くには危機を契機とする大跳躍が必要である。


かしこ。

2009年3月4日水曜日

ネオNICKサイト

どもりんです。どーにかこーにか生きている村野です。
次回公演の情報を、サイトにあっぷして頂きました。

NICK−PRODUCE
http://nick-produce.net/

現段階でタイトルはまだ仮題です。
これからどんどん充実させていきますので、みなさまどうぞよろしくお願い致しまうす!

さみいっすね。
はやく雪になんないかな。

にくを

2009年1月1日木曜日

ありゃま

また昨年同様
『笑ってはいけない〜』を見てゲラゲラ笑ってるうちに
年越ししてしまった


まあ
いいか


みなみなさま
昨年中は大変お世話になりました


ふつつかもの極まりないわたくしめでありますが
本年も何卒よろしくお願い申し上げます


にくまん