間もなく、母が亡くなって10年になる。
今から考えると個性的な人だったが、当時は気付くすべもない。
未だに忘れられないやりとりがある。
あんたたちなんか産まなきゃよかった、ママの人生どうなるの、と、
涙を流した。
子供としては腹立ちを覚えたが、
女としては深く共感を覚えた。
母の葛藤はそれなりに深かったのだと思う。
友人ではなく、当の娘にクレームをつけるしかなかったところに、
言い様のない行き詰まり感を知る。
そして今なお独身の自分。
鏡を見ると、太りぎみなのも含め、面影に母がいる。
鏡の向こうの、はるかな時間を蒼く思う。
私の人生は、いったいどうなっていくのだろうか。