グランドピアノが二台ある、フローリングに紫カーテンの空間へ。
何かのイベントに使えるかも知れない、と下見に出かけたが、
やや上品すぎて空振り。
カオスも内包できる、懐がある空間が欲しい。清濁併せ呑むような。
同行者と朝マックで話を詰め、新宿に移動し、
またさらなる同行者を迎え、
昼から赤ワインを煽る。
不規則な生活を送る者にのみ許されるかのような、平日の休日。
無事かえってこいよ。
言葉を胸に刻み、電車に駆け込む。
行き先は成田。
全てのものごとを中途半端にしたまま、数日を不在にすることへの不安。
自分などいなくても世界は回ることは充分わかっているけれど、
築き上げてきたものを一度停止させる恐ろしさはある。
それだけ歯車をまわしながら生活してきたのだと実感。
たまには違う歯車を稼動させてみよう。
そんなことを考えながら電車の椅子で目を閉じる。
一瞬のうたた寝。
目覚めたときには、乗り換えの駅の、ホームの端が見えた。
がーん。
乗り換え案内を調べる。調べる。調べまくる。
どうやっても友人との集合には間に合わない。
余裕をもって設定している時間とは言え、幸先がよくない。
駅についたら小走りね。
小走りする。
十五分遅れ。
不在期間に止められないように空港のコンビニで電気代を支払い、
どうにか飛行機に乗り込み、
離陸。
ビールを三杯飲み、
友人のぶんの機内食もたいらげ(友人はあの臭いがどうにもダメだそうだ)、
映画「シザーハンズ」に涙しながら機内を過ごす。
ジョニーデップすげえ。ティム・バートンすげえ。
そして緯度が下がるにつれ、暑くなっていくのがわかる。
暑さが苦手な私は、少しずつ息苦しさを覚える。
温度に溺れていく印象。
降りる直前にマイケルのドキュメンタリー「unmasked」があるのを発見し、
あわてて再生する。
若くて元気なマイケルが盛りだくさん。
また涙が流れそうになった瞬間、間もなく到着のアナウンス。
ついに来た。
ベトナム。
0 件のコメント:
コメントを投稿