2008年10月23日木曜日

【MOVIE】『笑え』監督/太田真博

劇団木霊の後輩の太田くんが、ENBUゼミの映像科を経て、映画を撮っている。


太田くんの映画に出演している先輩の竹井亮介氏から、今日は突然のお知らせ。
火曜日は朝から夜まで働き詰めなので体力がもつか危うかったが、塾講を終えてからふらふらと渋谷へ。


面白かった。


震災体験をもとにした芝居を、神戸で上演する俳優たち。
千秋楽の前夜。
煙草の煙が立ち上り、ビール缶が転がり、スナック菓子が開かれる、畳の大部屋。
洗濯物が干され、ちゃぶ台の上には所狭しと宴会必需品が並ぶ。
少なくとも演劇関係者は、それだけで親近感が湧いてしまう。


座長についての愚痴から始まった会話が、
座長の帰宅を契機に、本人の吊し上げへと変わる。


俺たちに何が足りないんですか。
愛だよ、愛。


繰り返される抽象的な押し問答。


乱暴なまでの議論を経て、傷つけあう中で、
落としどころは現れ、
相互理解の可能性へと行き着く。

怖かった。

学生時代、いやその後も、こんな光景をいやというほど目の当たりにしてきた。
安易な言葉は攻撃の対象となり、
生きていることそのものさえも疑念にさらされる。


てめえ、死ね。

オナニーしてんじゃねえよ。

やめちまえ。

何度も、何度も、何度も見た。
そうならないように必死に主宰を続けてきた。
同じ轍は踏むまい。
あんな恐ろしい目にあったら、私は完全に潰れる。


怖かった。


もう見ることはないと思っていた光景が、再現された。


そういえば、太田くんも同じ光景を何度も体験していた。
それをきっかけに退団もした。


無駄な体験など、ない。


今日は心して悪夢を見よう。

明日の糧になるように。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

れいちゃん、このブログいま気づいたわ。
ありがとう!ありがとう!!