2010年12月6日月曜日

本日、排水管の工事とやらで、自宅に軟禁されている。
昨日は一日家で、何やかやとやっていた。
世間では休みかも知れないが、家も仕事場、私に休みはない。
しかしまる二日家にこもるなんて、本当に何ヶ月ぶりのことだろう。


ここしばらく、何故か落語をよく見る。聴くというより見る。
その技の妙に思わず膝を打つ。よぅ、名人だねえ。思わず声をかける。
不勉強なので、桂枝雀や古今亭志ん朝、立川談志の古典落語を片っ端から見る。
新書で噺を読む。
たまに疲れると、何故かハムレットを読む。シェイクスピアは落ち着く。小田島雄志の訳だが。
そしてまた落語に戻る。サゲにきてすーっと溜飲を下げ、また違う噺を聞く。
疲れて、遠出したくなると、公園をぶらぶらしたり、近くの美術館に行ったりしてみる。

秋なのに妙に生暖かい風が吹くね。なんて心中で呟きながら、ゆらゆらと揺れる木の葉を枝中にひっさげたでかい木を眺め、
おおこりゃ長生きしてる木だ、大分人間よりも長生きだ、などと感に入りながら、
干渉されない自分を心地よく覚えて大空を仰ぎ見る。


不思議な日々である。


基本的には、日銭稼ぎの仕事(と言えるほどのものではない、作業だな)をして暮らしている。
でも記憶に残るのは、何もしていないときの時間ばかり。
作業中の自分は、どこか自分と切り離して暮らしているのだろう。
何も覚えていない。


そういえば先日、また酒に飲まれた。
渋谷で飲んでいたはずが、気づくと何故か東京駅を歩き回っていた。何か意図があってのことだろう。
終電も逃してしまったので、どうしたものかと酔った頭で考える。
以前、春先に酔って、皇居の堀端で野宿したことがある。数時間眠り、顔に落ちる雨で目が覚めて、
始発で帰った。誰と飲んだ後の話だったか。
ただ季節も12月だし、野宿で持ちこたえる自信もない。おまけに翌日は丸一日仕事(というより作業か)が入っていたため、
しょうがない寝るかと、いわゆる漫画喫茶を探して歩いた。
安くはない銭を払い、小さな部屋に通される。
掛ける布団も見当たらなかったが、仕方が無い、そのままどんと横になると、
すぐに両の瞼がくっつき、ずどんと眠りに突き落とされた。


まあそう眠れたからどうにか翌日体はもったけれど、
不摂生の後遺症はなくならない。
おかげで一昨日から昨日今日、ずっとくしゃみがとまらない。
へいくしゅん、へいくしゅん、ところかまわず発作が出る。
発作を出しながらも、落語を見てはへっへと笑う。
どこまでも、快楽を追求する姿勢ばかりが曲がらない人間でいる次第。

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