2008年10月23日木曜日

後輩K

数ヶ月ぶりに、久々の完全オフ。
家で息抜きにドラクエをやっていたら、後輩Kからメールが。


>今日どうします?


彼女はドラマの製作現場でADをやっている。
先週、深夜に現場から無一文で走って逃げたらしい。
殴られ、蹴られ、罵倒され。
自分がそこにいる目的を見失った、とのこと。


先週、開演直前に電話とメールが入った。日を改めて会うことに。
それが今日。


後輩の同期がアルバイトをしているバーに行き、ひたすら飲んで話す。
明らかに以前より酒量が多い。
そもそも何がしたくて業界に入ったのか。
先の見えない仕事の仕方をしていたのではないか。
内省を繰り返す。


目的を思い起こす手伝いが、少しはできただろうか。


彼女には、何度か演出助手をやってもらった。
全体を見渡しながらの的確な仕事ぶりは、助手を越え、
パートナーと呼ぶにふさわしかった。
そんな有能なはずの人が、つぶれかかっている。
その事態にまず驚いた。


直接的な原因が一つ。
どうも暴力を浴びることで思考が停止しかかっていたらしい。
テレビは昔と変わらない。
弱肉強食、上意下達。
大日本帝国さながらの、言わば男尊女卑の社会だそうな。


男女平等をよしとし、暴力は悪とする教えの中で、自由の空気を吸って伸びやかに育った彼女が、
夢を抱いて飛び込んだ世界で実体験したことにどれだけの衝撃を受けたか。
想像は難くない。


話して気が晴れたようなので、さらにカラオケに行くことに。
初めて聞く彼女の歌声は、美しく、真っ直ぐで、自由だった。


回路を開こう。
現場の外を見よう。
発信する側としての自覚と責任感を持とう。
結果は後からついてくる。
そんなようなことを話した、ような気がする。


今まで見たことのないような、能動的な、野心ある顔が伺えた。


生きろ。

0 件のコメント: