見上げると、枝のあちこちに坊、坊、坊。
月頭には花弁で呼気吸気を喜ばせ、月末には坊で心を和ましむとは、
何たるお得樹木。
サクラよ。
稽古場に向かう。
サクラ並木の公園を歩くと、
柏餅の香りがした。
葉か緑緑と開き、陽光を吸っている。
隙間からそぼ降るおこぼれを身に受ける。
葉までもか。
サクラよ。
知人がサクラを「勝ち組」と称していた。
これだけお得感満載なら仕方ない。
ぶっちぎりトップだ。
好きで好きで仕方ない。
そんな恋心にも似た狂おしさをかき立てるくせに、
振り向きもしない。
どこまでもマイペース。
寿命が違うからですか?
片思い誘発樹木。
サクラよ。
いつしか人類と愛し合わむ。
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