2016年8月11日木曜日

映画「シン・ゴジラ」


「シン・ゴジラ」を見てきた。
IMAX上映最終日、間に合ってよかった。


過去のゴジラ作品をまともに見ていないし、
ゴジラそのものに思い入れがあるわけでもないけれど、
モンスターの悲哀が感じられて、とても愛着がわいた。
ただ生きているだけで、集中砲火100%の対象となり、傷つけられ、脅威の対象となる。
『泣いた赤鬼』を思い出す。


津波のこととかメルトダウンのこととか、
政府が機能不全起こしたときのこととか、
つい最近まであったデモのこととか、多摩川タマちゃんのこととか、
そりゃもういろんなことを思い出させられる。
あと、自衛隊の装備はいまこんなふうなんだとか。
戦時になるとこうなるのかとか。
天皇の存在は全く触れられなかったよねあーでもドラマとしてそんな余地ないよねとか。


こういう、いわゆる「敵」が現れる作品には、いつもドキドキする。
現実の、社会における仮想敵ムードが、それでつくられかねないから。
例えば911テロの前後あたりからか、ハリウッド映画の悪役はアラブ系のテロリストが王道になった。
冷戦時代にはソ連のスパイ、KGBが王道だった。
そんなふうに。
「敵だよね」「攻撃対象にしていいやつだよね」って、誰もが納得できるものが設定される。
そして現実の感覚を補強する。


なので、あまり「敵」とされるものが出てくる作品は、基本的に好きじゃない。
だって、その「敵」は、あくまで主人公にとって都合の悪い存在にすぎず、
その敵の側にも事情やら理屈やらがあるわけなので。
今回も、何か理由があって地上に出てきたわけじゃん、やつは。
ほっとくわけにはいかないから闘うしかないわけだけれども。


ネタバレになるのもなんなので、あまりぼやくのは飲み屋の会話にとどめておく。
なんであれ、2時間強、たまに手を叩いてしまうほどのドキドキワクワクをさせてくれた庵野ゴジラ。
シンプルに気持ち悪くてよい。異形は見ているだけで興奮する。
エヴァは、誰よりも使徒が(エヴァ含め)魅力的だったのを思い出した。
面白かったっす。



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